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片山ひでのり法律事務所

交通事故 判例研究

No.004

現金収入がある主婦の基礎収入額

神戸地裁平成12年9月26日判決交民33巻5号1555号

学歴計全年齢平均額にパートの収入を加えた額とほぼ等しい年齢別平均賃金額を基礎収入額とした事例

弁護士のコメント

主婦の場合には、交通事故の逸失利益の算定基準として、女子労働者の平均賃金が用いられます。したがって、主婦のパートで収入がある場合でも、ない場合でも交通事故の逸失利益は同じとなります。これは収入がない主婦について、交通事故の逸失利益の算定を女子労働者全年齢の平均賃金で計算しているためです。この点については、一部ですが、パートの収入について加算を認める裁判例もあります。

この裁判例は、50万円程度のパート収入がある主婦について、女子労働者全年齢の平均賃金341万円に修正を加えて、年齢別平均賃金389万円として認定したものです。

事案

A(主婦でパート勤務の36歳)は、交通事故で受傷して後遺障害が残った。Aには少額のパート勤務の収入があった。

判決

主婦の場合の休業損害の算定にあたっては、一般的には女子労働者学歴計全年齢平均の年収額を基礎とするべきとされており、有職の主婦の場合であっても、パート等による収入が平均賃金額に満たないときは、平均賃金によるものとされているが、有職主婦と専業主婦を同一に扱うことは相当ではないとして、賃金センサス女子労働者学歴計全年齢平均額に、パートでの収入の年額を加えた額が年齢別平均賃金額とほぼ等しいので、年齢別平均賃金額を基礎収入額とすべきであるとした。

No.005

介護労働をしていた家事従事者の基礎収入額

大阪地裁平成18年10月18日判決自保ジャーナル1715号13頁

基礎収入について賃金センサス産業計・企業規模計・全労働者全年齢平均賃金額を採用することが相当とした事例

弁護士のコメント

主婦の場合には、交通事故の逸失利益の算定の基準として、女子労働者全年齢の平均賃金が用いられます。しかし、重度の介護労働に従事している主婦も同じと考えることは、その労働力を喪失した家族にとっての損害を店舗しているとは言えません。

そこでこの裁判例は、実際に主婦として担ってきた労働が重労働の場合には、その主婦が交通事故で死亡して働けなくなったことによる損害である休業損害・逸失利益もその労働の内容に応じて加算されるとしたものです。

事案

A(55歳の主婦)は、障害を持つ長女Bの介護をしていたが、交通事故で死亡した。そのため、Aの次女Cは仕事を辞め、Aの夫のDは勤務時間を減らして、長女Bの介護にあたる状態になった。

判決

Aは、家族の中で中心となって、Bの介護を担っていたことが認められる。Aの死後、額はともかくとして、CとDの収入がある程度減少したことは認められる。このように、Aは単なる家事労働だけではなく障害者であるBの介護も担っていので、本件事故後、残されたCとDに大きな負担がかかっていることを考慮すると、Aの基礎収入については、賃金センサス産業計・企業規模計・全労働者全年齢平均賃金額を採用することが相当である。

No.006

家事従事者の逸失利益の否定例

名古屋地裁平成12年8月30日判決交民33巻4号1407号

主婦として家事労働に従事しているとは認められないとした事例。

弁護士のコメント

交通事故の逸失利益の算定において、主婦として逸失利益が認められるためには、自分以外の家事を行う必要があります。その理由は、自分の身の回りのことをすることは労働ではないため金銭的評価の対象とならず、交通事故の逸失利益の算定の対象とならないからです。

この裁判例は、主婦とはいうものの、夫はおらず、また同居している娘はたまたま夫の単身赴任の関係で同居しているだけという状況では、「他人の家事」をしていると評価されないため、交通事故の逸失利益は認められませんでした。

事案

A(61歳の女性)は、自転車同士の接触事故で転倒・受傷し、股関節人口骨頭置換術を行う後遺障害が残った。

判決

Aは、事故直前に年額212万600円の収入があったことが認められるから、これを休業損害の基礎収入とするのが相当である。Aは有職の主婦であるから賃金センサスを休業損害の基礎とすべきと主張するが、本件事故当時夫は既に死亡しており、本件事故当時たまたま娘が同居していたものの、娘は30歳を越した既婚者であり、夫が単身赴任であったためにA宅にいたものであって、当時稼働していた様子もない。これらの生活状況に照らすと、Aが前記の収入以外に一家の主婦として稼働していいたとは認めることができないから、賃金センサスを用いいて基礎収入とすることはできない。

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