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片山ひでのり法律事務所

交通事故 判例研究

No.007

補助的家事従事者の逸失利益

東京高裁平成9年4月23日判決判時1618号74頁

有職女性であるけれども家事労働で重要な役割を果たしていたとして学歴計年齢別平均賃金の4分の3を基礎収入とした事例

弁護士のコメント

家事労働者として評価されるには、原則として結婚している必要があります。それでは、結婚してない独身者の場合には、交通事故の逸失利益の算定において、家事労働者として評価されないのでしょうか。評価されない場合、パート収入等で年収が低い場合に、逸失利益の算定が大幅に不利になるため問題になります。

この裁判例は、母親が病気がちであることから「母親以上に重要な役割を果たした」と認定して、逸失利益の算定について、女子労働者の「平均賃金の4分の3」の263万円を基礎とするのが相当としました。これは独身の女性であり主婦とはいえないことから4分の1を減額したものです。

事案

34歳の女性(独身・アルバイト兼家事手伝い)は、学習塾教師や家庭教師や、自宅で母親と共に経営していた学習塾等により月12万円程度の現金収入があったが、交通事故で受傷し、下肢の神経症状が残った(12級)。

判決

Aは、本件事故当時、両親と妹の四人暮らしであったこと、父親は月額八万円ほどの年金収入があるのみで、母親(本件事故当時六一歳)がAとともに自宅での塾経営に当たっていたが、妹は会社勤めをし、父親も母親も病気がちで、家事労働については控訴人が母親以上に重要な役割を果たしてきたことが認められる。

そうすると、Aは家事労働にも相当の時間を割きながら塾経営、家庭教師などの仕事を兼ねていたもので、休業損害算定の基礎としては(後記逸失利益の算定についても同じ。)、いわゆる兼業主婦に準ずるものとしてその家事労働分を斟酌すべきであり、本件に顕われた上記家族構成、生活状況、控訴人の家事労働以外の実収入等をも勘案し、賃金センサスによる女子労働者の平均賃金の四分の三に相当する金額とすることが相当である。

No.008

男性家事従事者の休業損害

京都地裁平成17年7月28日判決自保ジャーナル1617号5頁

男性であっても家事従事者として女子労働者学歴計全年齢平均の賃金額を基礎収入とした事例

弁護士のコメント

男性が主婦として家事をしている場合の逸失利益の算定に関する判例です。通常の女性の主婦の場合には、女性の全年齢の平均賃金を基準として逸失利益を算定します。男性の場合には、「男性」の全年齢の平均賃金を基準として逸失利益を算定できるのかが問題となりました。これは「男性」の全年齢の平均賃金の方が女性の平均賃金より大幅に高いため、いずれによるかで逸失利益に大きな違いが出ることになります。この判例は、「女性」の全年齢の平均賃金を基準として逸失利益を算定すると判示しました。損害として算定される家事労働の評価としては、やはり高額な男性の全年齢の平均賃金を用いることは公平でないということからです。

事案

A(57歳の男性)は当時無職であったが、有職であった妻の代わりに家事労働をしていた。Aは交通事故で受傷し後遺障害が残った。

判決

Aは,本件事故当時無職であったこと,Aの妻年額318万円から330万円程度の給与所得を得ていたこと,Aは,本件事故当時,妻に代わって家事労働をしていたことがそれぞれ認められる。以上認定の事実関係によれば,休業損害を算定するに当たっては,家事従事者として平成15年賃金センサス産業計・企業規模計・女子労働者・学歴計・全年齢平均の賃金額(349万0300円)を基礎とするのが相当である。

No.009

事故後の家族関係の変動と家事逸失利益

東京地裁平成19年12月20日判決交民40巻6号1666号

事故当時息子の別居が客観的に予定されていたとはいえないとして家事労働の逸失利益を認めるのが相当とした事例

弁護士のコメント

逸失利益について、事故後に息子が独立したり、夫と離婚した場合には減額されるのでしょうか。

主婦として逸失利益を算定するためには、家事を行う対象としての他の家族の損害が必要であるため問題になります。この裁判例は、この点について事故当時に具体的に予見できなかった事情は考慮しないとして、家事労働の逸失利益を肯定しました。もっとも、この議論については否定する裁判例も多数あり、事案によって裁判例の結論が異なっています。

事案

専業主婦Aは夫が既に死亡し、事故当時息子と同居していたが、交通事故で受傷し、後遺障害が残った。事故後、息子が結婚したため、Aは一人暮らしとなった。

判決

Aは,本件事故当時,家事労働に従事していたものである。なお,平成16年11月まで同居していた息子が結婚予定の女性と同居するようになったことに伴い,その後は一人暮らしをしているが,本件事故当時,息子の別居が客観的に予定されていたなどの事情を認めるに足りる証拠はない。

基礎収入(年収)は賃金センサス平成12年第1巻第1表の産業計・企業規模計・女性労働者学歴計全年齢平均349万8200円とするのが相当である。

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