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片山ひでのり法律事務所

交通事故 判例研究

No.010

大学進学前の高校生の逸失利益

東京高裁平成15年2月13日判決交民36巻1号6頁

交通事故で死亡した17歳の男子高校生に大学卒年齢平均年収を基礎収入額とした事例

弁護士のコメント

交通事故の逸出利益は、高卒の場合には、高校卒業全年齢平均年収を基礎収入とし、大卒の場合には、大学卒業全年齢平均年収を使って算定します。また、すでに大学に入学している者の逸失利益についても、大学を卒業していないが、卒業することが確実ですので、大学卒の平均年収を利用して、算定されます。それでは、大学進学を予定していた高校生の場合はどうなるでしょうか。

この点この判例は、通学していた高校の偏差値や、成績、進学の希望等を加味して、大学進学していた蓋然性が高いとして、逸失利益の算定について大学卒の平均年収が採用されました。

事案

17歳の男子高校生Aが,道路を原動機付自転車で運転,走行していたところ,加害者運転の普通乗用自動車が時速100キロメートル以上の速度で被害車両の後部に追突し,Aを死亡させた事案

判決

Aの高校第1学年時の成績は必ずしも優れたものではなかったものの,勉学,特に英語の勉強に対する意欲があり,家庭環境においても,大学へ進学するのを当然とする環境にあって,控訴人X1及び控訴人X2は,Aが大学に進学することを希望し,Aも担任教員に大学進学の意思を明確にしていたのである。このような事情からすると,Aが本件事故により死亡しなければ,大学に進学していた蓋然性が高いということができる。したがって,Aの逸失利益の算定に当たっては,男子大学卒業者の全年齢平均年収額を基準とするのが相当である。

No.011

女子の年少者の逸失利益

東京高裁平成13年8月20日判決判時1757号38頁

女子年少者の死交通事故の亡による逸失利益を算定するにあたって基礎とすべき収入の額を全労働者の平均賃金を採用した事例

弁護士のコメント

交通事故の逸失利益の算定について、主婦の場合には、女子全労働者の平均賃金が利用されています。従前、逸失利益の算定について、損害の計算については、逸失利益の問題は損害の算定の問題であり、損害発生の蓋然性が必要だということから、女性の場合には、女子全労働者の平均を用いると言った見解が判決において優勢でした。これに対して、女性と男性では大幅な賃金の格差があることから、女性について女子全労働者平均賃金を用いるのは、男女差別であるとの批判もあります。

この裁判例は、11歳の女児について、将来の男性平均賃金の獲得の可能性もあることから、交通事故の逸失利益を男女合わせた全労働者平均を用いて算定すると判示したものです。このように、現在、年少者の女児の逸失利益の算定においては「全労働者平均」を用いて算定するのが実務の運用です。

 

事案

11歳の女子Aは道路を横断中に自動車にはねられて死亡した。

判決

高等学校卒業までか、少なくとも義務教育を修了するまでの女子年少者については、逸失利益算定の基礎収入として賃金センサスの女子労働者の平均賃金を用いることは合理性を欠くものといわざるを得ず、男女を併せた善労働者の平均賃金を用いるのが合理的と考えられる。

No.012

若年女子の逸失利益

東京地裁平成16年10月18日判決交民37巻5号1384号

19歳の専門学校生であったAが交通事故で死亡した場合の逸失利益の算定において全労働者の平均賃金を採用した事例

弁護士のコメント

女児の逸失利益の算定においては、女子の全労働者平均ではなく、「全労働者」平均を用いて算定するのが実務の運用であります(№011参照)。

では、逸失利益の算定においては何歳まで女子全労働者の平均ではなく、「全労働者平均」を用いて算定することができるのかが問題となります。この判例は、19歳の専門学校に通う女性の交通事故の逸失利益の算定について、義務教育を終わって働いている者との均衡から、女子全労働者の平均を用いたものです。

事案

Aの父母は、Aの逸失利益につき全労働者全年齢平均額を基礎収入として逸失利益を算定するべきであると主張した。

判決

義務教育を修了した後は,一般に将来の進路,職業選択についての希望や予定がある程度具体化するであろうから,あらゆる職種に就く可能性を前提にした全労働者の平均賃金を用いる根拠が薄弱化することは否定できないし,未就労であったことのみをもって,現在の女性の賃金水準を反映したものではない全労働者の賃金水準で算定すると,既に就業した同年代の若年労働者の逸失利益の算定方法との均衡を失することになりかねない。

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